前回、紹介した『手話ではなそう しゅわしゅわ村のどうぶつたち』と共に、こちらの絵本も人から勧められ、頂いたものです。
どちらも障害の話題であったり、ご病気の話だったりするので、娘が読んでくれるかなと不安に思いましたが、興味を持ってじっくり読んでいる姿を見て、いただいてよかったと思います。
親の子育て感にも参考になる絵本です。
<内容>
あなたは顔で差別しますか――。色々な子育てがあるけれど、てるちゃんのお母さんは、こうでした。
てるちゃんは、海綿状血管腫という病気で顔に大きなこぶがあります。
そのため、小学校1年生のときにひどいいじめにもあいました。
でも、てるちゃんのお母さんは「てるちゃんには、チャームポイント、いいところがいっぱいある」と言い続けてくれます。
転校してからは、先生がみんなに「てるちゃんの顔は少し赤いけれど、これはてるちゃんの個性です」と話し、友だちも「この顔はてるちゃんの個性」と受け取ってくれました。
こぶのことで不安になっていると、お母さんは「バイオリン習ってみない?」「今度スイミングスクールに行こうね」「絵画教室も楽しいみたいよ」と次々習い事に通わせました。
お母さんも一緒にバイオリンを習い、ほとんど泳げないにも関わらず自分も水泳教室に通い始めたりしました。
お母さんはてるちゃんにこう伝えます。
「てるちゃん、顔のことで心をいっぱいにしてはダメよ。てるちゃんのいいところをいっぱい伸ばしていくの」
<見どころ・感想>
見た目のせいで、周りからいじめを受けてしまうところは、胸が締め付けられるような気持ちになりますが、てるちゃんのお母さんが子どもに寄り添い、励ましながら共に成長していく姿は、とても勇気付けられます。物事を前向きに捉え直していく力、すごく大切だと感じました。
<著者のプロフィル>
藤井輝明(ふじい・てるあき)1957年東京都国立市生まれ。
桐朋学園小学校から同中学高校へ進学。
中央大学、千葉県立衛生短期大学卒業後、筑波大学大学院修士課程、名古屋大学大学院博士課程修了。
熊本大学医学部教授などを歴任。医学博士、看護師、行政書士。
2歳の頃に発症した海綿状血管腫のため、顔の一部がはれている。自身のいじめや差別体験から、顔に病気や傷などを抱える人たちに対する偏見をなくすために、小・中学校、高校での講演・交流活動など幅広い社会活動を積極的に行なっている。
人気ブログランキングへ