■表紙とタイトルに惹かれ、つい〝ジャケ買い〟
２００１年に『ビタミンF』で直木賞を取るなど、数々の文学賞を受賞している重松清さんの作品です。
ビタミンFを読んだ後、どれを読もうか本屋で探していたとき、かわいらしいイラストの表紙と『なきむし姫』というタイトルに〝恋して〟、ついつい〝ジャケ買い〟してしまいました。
でも、電車で読むには、カバーがないと少し恥ずかしい……。
※ちなみに、カバーイラストを書いた人は、おとないちあき さんという方。
夫の単身赴任中、泣き虫ママが子どもと成長する話
主人公のアヤは二児の母なのに、気が弱く涙もろい。そんなかわいらしい奥さんをいつも支えるのが夫・哲也。
ところが、哲也が一年間の単身赴任をすることに。
期間限定のシングルマザーとなったアヤの前には、バツイチで娘を育てる幼なじみの健が現れ、何かと助けてくれるが……。
アヤは無事に一年間を過ごせるのか。幼なじみの健とはどういう人物なのか。
■登場人物
霜田アヤ…小学一年生のブンと、幼稚園児のチッキの母。内気で涙もろい。
霜田哲也…アヤの夫で、幼なじみでもある。神戸に単身赴任中。
留美子さん…アヤのママ友。思い込みが激しく、息子の和彦を溺愛。
水谷先生…ブンのクラス担任。ぴっかぴかの新米教師。
新庄健…アヤと哲也の幼なじみ。娘を一人で育てるバツイチ。職業不詳！？
＜見所・感想＞
■端々に出てくる健の子育て観に共感
娘のナッコにはいつも「わくわく」を胸に持たせてやりたい。ブンやチッキには、最近わくわくさせてやっているかーー。健はアヤにこう語ります。
端々に出てくる健の子育て観が、同じ父親として、魅力的に見えました。
また、健は最後の方で、このようなことを語ります。
「子どもは親の見てないところで育つ」
「子どもに〝一人目〟も〝二人目〟もない。親にとって二人目の子も初めての親」
初めての親だから子育てが理想通りうまくできないのは当たり前だけど、子どもの成長を上手に促せる親になりたいと感じました。
■本当になきむし姫？ 主人公は健？
率直な感想として。
読み進めると、なきむしだったのははじめの方だけではと思いました。
また、最後の方では健の話が中心になっていて、印象の残り方もそうだし、主人公は健かしらとなりました。
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