図書館には膨大な情報が眠っている
「調べてみたけどネットにはありませんでした」――。
私もそうですが、ついこんな感じで調べ物って終わっちゃっていませんか?
そんな何をどう調べたらいいのか、さっぱり分からない人にオススメなのが、『図書館を使い倒す! ネットではできない資料探しの「技」と「コツ」』(著・千野信浩)です。
千野 信浩
新潮社
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以前にも紹介した「調べる力が身につく必見の書『必要な情報を手に入れるプロのコツ』(著・喜多あおい)」に引き続き、調べる力が身につく本です。
著者の千野信浩氏は、経済専門誌「週刊ダイヤモンド」の記者として、全国主要都市の経済分析、高等教育、ビジネスの情報源などの特集記事を担当した人。「世の中の人がまだあまり知らないことを調べ、検証し、それを活字を使って伝えることが仕事」(千野氏)で、調べるコツを知っており、そのコツが〝図書館〟である、と語っています。
図書館の効率的な使い方
この本が書かれていることを簡単にいうと、資料はいろんなところに眠っていて、図書館に足を運べば、探していた資料がほぼ見つかるよと。その図書館も専門図書館というものもあり、調べ方にもコツがありますよという話です。
具体的なものを紹介します。
千野氏は、図書館を効率的に使うためのポイントとして、
①図書館には膨大な情報が眠っているが、図書館によって得意・不得意がある
②図書館では「なんとなく」情報を探せる機能もある
――の2点を頭に入れておくことを挙げています。
そして、まず調べるべき資料は何かを知ることが重要であるとした上で、自分が調べることについて、次のうちどのような状況かを考える。
①何を調べたらいいかを知るために調べる(資料の存在から調べる)
②調べたい資料を手に入れる(資料の名前がはっきりしている)
千野氏は「図書館に行けば、調べたいものは『ほぼ』見つかる。見つからないものは本当に存在しないか、隠し立てされたものか、まだ日の目を見ていないものだと思えばいい」とまで断言しています。
あいまいに探し、鋭く手に入れる
ではどう探すのか。
どんな資料があるか分からないときは棚を眺めてあいまいに本を探し、必要な資料が分かっているときは、間違いなく手に入る図書館を鋭く攻める。
図書館の基本鉄則は、「あいまいに探す」「鋭く手に入れる」という探し方の使い分けが大切だと強調。また、資料探しのプロである図書館司書に相談する「レファレンス」をうまく使う技術についても触れています。
図書館司書のテクニック
そこで、以下の図書館司書のテクニックについて触れています。
浅野高史氏が、図書館向けの専門誌「現代の図書館」2003年9月号で調査の展開の発想法として提示したものだそうです。
一、絞る より具体的なキーワードで調べる
二、広げる いったん広い概念の言葉で調べる
三、射貫く 必要な言葉をダイレクトに調べる
四、たどる 類似する情報に調査範囲を移動する
五、視点の変更 日本史だけではなく美術史を調べるなど、違う面から調査する
六、媒体の変更 紙媒体からインターネットやCD-ROMなど、違うメディアで調べる
同じく図書館レファレンス担当の高田高史さんの話に似たようなことが出ていましたので、こちらもご紹介。
調べもののプロが伝授:図書館レファレンス歴10年以上の高田高史さんに聞く「図書館の使いこなし方」
そういえば、喜多あおいさんの本でも、発想を広げる方法として、本屋の棚を眺めることを紹介していました。同じテーマでも、「観光面」から見てみたり、「歴史」で見てみたりすると違う切り口で取り上げられていることに気づくそうです。
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